水仙
中途採用の面接だと,相手はすでに社会人なので「あなたはうちの会社でどのような活躍ができるのか」「あなたはうちの会社から何を得ることができるのか」を話すことになります。仕事上の過去の実績を確認したり,転職後のキャリアプランについて突っ込んだ話をします。学生には,その積み上げがありません。
学生はとうぜん緊張します。面接の場ではじょうずに話せない人もいます。『おしゃべりが得意』だけが技術者の素養でないのは自明の理です。学生の能力を短い時間でいかに引き出してあげることができるか,そのうえで公平な評価を与えてあげることができるか。面接官の責任は重いですね。彼らは,人生を賭けてやってきますから。
毎年この季節には重責を担うわけですが,しかし学生と話をするのは楽しいです。無垢ですよね。なんだかんだいってもやっぱり。咲いたばかりの水仙のようだ,とよく思います。はつらつとしていながら,どこかこう,うつむき加減で。でも明るい。
学生と面接するたびに頭をよぎりますね。故郷の偉大なる詩人,中原中也の詩。『よごれちまった悲しみに』。僕はいつから,あの初々しさを無くしてしまったんだろう...
by melekai | 2007-02-19 21:46 | 鎌倉・花日記