水仙

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三月に学生の面接をするので,そのオリエンテーションに参加しました。学生の就職活動に企業側の面接官という立場で参加するのはこれで三年目になりま。毎年思いますが,学生の面接は難しい。

中途採用の面接だと,相手はすでに社会人なので「あなたはうちの会社でどのような活躍ができるのか」「あなたはうちの会社から何を得ることができるのか」を話すことになります。仕事上の過去の実績を確認したり,転職後のキャリアプランについて突っ込んだ話をします。学生には,その積み上げがありません。

学生はとうぜん緊張します。面接の場ではじょうずに話せない人もいます。『おしゃべりが得意』だけが技術者の素養でないのは自明の理です。学生の能力を短い時間でいかに引き出してあげることができるか,そのうえで公平な評価を与えてあげることができるか。面接官の責任は重いですね。彼らは,人生を賭けてやってきますから。

毎年この季節には重責を担うわけですが,しかし学生と話をするのは楽しいです。無垢ですよね。なんだかんだいってもやっぱり。咲いたばかりの水仙のようだ,とよく思います。はつらつとしていながら,どこかこう,うつむき加減で。でも明るい。

学生と面接するたびに頭をよぎりますね。故郷の偉大なる詩人,中原中也の詩。『よごれちまった悲しみに』。僕はいつから,あの初々しさを無くしてしまったんだろう...

by melekai | 2007-02-19 21:46 | 鎌倉・花日記